空が落ちるブログ

空が落ちても何もないよ

このおかしな社会はどうなっているのだろうか。

ものをつくってお金を稼ぐのは難しいなあと思うこのごろ。

日本最難関の東京藝術大学の学生さんたちは制作期間3カ月の作品が30万円とかで売れるらしい。いち学生の商品が30万円で売れるなんて大したものだなんて思うけど、月収で考えたら10万円だし、年収120万円なんて底辺中の底辺でしかない。普通にビジネスとしてやっていける状態でないのがたしかなところ。

ここから学生の進む方向性はブランド価値を向上させて単価を上げるという選択が一般的だと思う。具体的にいうと30万円で売れたものを300万円で売る。単純計算で月収100万円の年収1200万円の高給取りである。材料費などは経費として落として節税にもなるから安心だろうか。しかし商品が300万円で売れるようになるなんてよほどのことがないと厳しいんだろう。

さらにいえば3カ月の間収入がないのは非常に厳しい。毎月なんとかお金が入ってくるようにできないか。

生活していくための方法としては制作期間を短くする方法だ。具体的には制作期間1カ月で、作品を20万円で売る。まあこれでも年収240万円と一般サラリーマンの平均年収400万円には大きく劣る。

もっと短くして1日2万円の作品作ってたら月60万稼いで年収720万円といい感じ。けれどもこれは多分体がもたないと思う。毎日継続して2万円の価値をつくれるかという問題もある。1万円がいいところ?まあ生活はできるかな。

自分で考えて自分でつくって自分で売ってはるかにサラリーマンよりも大変なことをしてるのにお金を稼げないって大変だなあと思う。結局売れない人は芸術家としての道を諦めてサラリーマンとして働くんだと思うと悲しいものだ。

そんな中でこの問題を解決する方法が著作権だとかで収入を得る方法。作品をつくってそのデザイン性だとか、レプリカの販売権だとかを買ってもらって収入を得る。これがうまくいけば働かずともお金が入ってくる状況に持ち込める。ここが学生さんの最終目標なのかもしれない。

ってなると多分この方法に持ち込める人っていうのは制作期間を長くかけてたっかーい値段の価値ある作品を作ろうとしてる人なんだよね。目先の利益を求めて1日1日作品をガンガン作ってる人のものがよい権利を付随して産まれてくるとは到底思えないなあと。

でもさっきも言った通り3カ月で30万円の生活なんて長くやっていけるものじゃないんだよ。いつ価値が産まれてくるかもわからない将来を期待して、苦しい生活を続けることが果たしてできるのだろうか。

そう思うとやっぱり芸術家がサラリーマンよりひどい境遇にあるもんだと思う。サラリーマンなんて大した価値もうまないのにねえ。言い過ぎか。まあでも実際のところここ最近は特に価値が下がったと思う。

サラリーマンは普通同じ会社に長年勤めてるだけで価値が産まれてくるはずなんだよ。いろいろと考えることがたくさんある仕事であればどこか成長はあるはずで、昔はそういうのが多かったのかもしれない。

でも最近は仕事が効率化されまくってて何も考えずともサラリーマンとしての仕事ができるようになりすぎてると思う。もっと言ってしまえば非正規社員でもなんとかなる仕事が多いのかなと。

非正規が増えてるって問題ってのは裏を返せば正社員が必要となる仕事が減ってきているからということかもしれない。仕事が効率化されてきたという証でもあるね。

となると会社に正社員としての雇用を求めるのは酷な話。設備投資してロボットに仕事させてた方が正確だし効率もいいと思うよ。

いずれ色んな仕事がロボットにとってかわってくよね。その時にそうした仕事をしている人たちはどうなるのだろうか。わざわざロボットの方が正確に出来る仕事を人間がやるのだろうか。

それほど無駄なことはないだろう。ロボットにできる仕事はロボットにさせた方がいいよね。逆にロボットにできない仕事を人間がやるべきだよね。

ロボットが出来ない仕事といったらアーティスティックな仕事?となると芸術家の出番ですね。東京藝術大学出身の彼らの出番です。サラリーマンより稼げない仕事をしている彼らの出番ですよ。

芸術家はサラリーマンに負けて、サラリーマンはロボットに負けて、ロボットは芸術家に負ける。

このおかしな社会はどうなっているのだろうか。